統一地方選後半戦と重なる21日の投開票日を目指し、与野党が火花を散らす衆院大阪12区と沖縄3区の両補欠選挙は、国政選挙として2017年10月の衆院選以来1年半ぶり。この間の「安倍政治」の評価が懸かる戦いだ。

 一方で、与野党それぞれに前半戦で露呈した「内憂」を引きずる選挙戦とも言える。

 大阪の知事と市長の「ダブル選」で、自民は政治団体・大阪維新の会に敗れた。国政での維新側との関係に配慮したか、安倍晋三首相は選挙に積極関与せず、党内から官邸批判が噴出。保守分裂となった4県知事選のうち2つで党推薦が敗れるなど、しこりを色濃くする結果となった。

 野党側は、さらに「憂い」が深そうだ。11道府県知事選で唯一、与野党対決型となった北海道知事選で大敗。他は統一候補を出せなかったばかりか、相乗りが4知事選に上るなど、有権者に十分な選択肢を示せなかった。

 与党の内紛は、野党の非力と背中合わせ。共闘を叫びながら形にならない野党勢力の現状が、与党側に内紛の「余裕」を与えている。

 「復興より議員が大事」発言で首が飛んだ五輪相、先般の国交副大臣の「忖度(そんたく)」辞任などに象徴的に表れた長期政権のたるみやおごりに世論の批判が高まる折、野党にとって今回の2補選は夏の参院選に向けて存在感を示す重要な試金石に違いない。

 知事に転じた玉城デニー氏の議員失職に伴う沖縄3区補選は、昨年の知事選と同じ与野党一騎打ち。「共闘」のイメージを描きやすい構図ではあるが、野党は引き続き表に出ず政党色を薄める作戦だ。

 翻って自民現職の死去に伴う大阪12区補選では、故人のおいを擁立して「弔い合戦」を仕掛ける自民と日本維新の会新人、無所属の前職がしのぎを削る中、共産党の現職衆院議員が無所属で出馬。小沢一郎代表率いる自由党が推薦する。事実上の共産党候補への他の野党の推薦は異例だ。

 小沢氏は周辺に「共産党が覚悟したのだから、推薦を出さないといけない」と語ったというが、立憲民主、国民民主両党は自主投票。「覚悟」は共有されていない。

 共産党と組むことへの抵抗感、「剛腕」小沢氏への警戒感…。異なる政党間のせめぎ合いを内紛とは言うまいが、参院での野党第1党を巡る立民と国民の確執など、有権者の目に「コップの中の嵐」と映る場面は少なくない。

 長期政権の緩みに注がれる国民の厳しい視線は、批判の受け皿になり得ていない野党勢力にも向けられよう。夏の決戦を目前に、野党はどこまで存在感を示せるか。共闘の先行きを占う上で、2補選の戦いぶりが注目される。