東日本大震災の被災住宅を高台移転する防災集団移転促進事業(防集)について、県内では全88地区、2103区画の造成が完了した。12日は最後に完成した大槌町赤浜地区で宅地引き渡しが始まった。8年1カ月を経て復興の主要事業は節目となり、今後は移転した住宅跡地(移転元地)の活用策が課題となる。

 同町赤浜の仮設住宅で暮らす土木アルバイト岩間幸雄さん(60)は、近くに住む妹の黒沢由美子さん(56)と町の担当者から引き渡しの説明を受けた。実家が津波にのまれて母親も亡くし、東京から帰郷して1人暮らし。待望の自宅は7月完成を予定する。

 岩間さんは「親戚を泊められる状態ではなく、気を使って来なくなってしまった。仮設にいると会話も少なく、寂しい気持ちにもなる。また昔のように人を呼べる家になればいい」と安堵(あんど)と期待を込めた。