2024年度に発行される新千円札の肖像に採用された北里柴三郎(1853~1931年)を学祖とする北里大の名誉教授で、大船渡市三陸町越喜来の野村節三さん(85)は、北里と奥州市出身の後藤新平(1857~1929年)の絆を著書にまとめ、功績を伝えている。野村さんは「情に厚くカリスマ的な研究者。人間の心を捉える魅力もある」と北里像を語り、研究者が受け継ぐ「北里精神」をたたえる。

 世界的細菌学者の北里と近代行政に功績を残した後藤は互いに医学校出身でドイツへ留学し、衛生や医療事業へ尽力するなど共通点が多い。野村さんは、2人の出会いから盟友となった経緯、同じ墓地に眠ることなどを、2014年に刊行した著書「北里柴三郎と後藤新平」につづった。

 北里精神については、同大の建学精神▽開拓▽英知と実践▽不撓不屈(ふとうふくつ)▽報恩―を挙げ、特に学んだ知識と技術を実践に移し社会に役立てる「実学」が肝要だと強調する。