陸前高田市高田町のそらうみ法律事務所陸前高田事務所(滝上明所長)は、弁護士が少ない地域への学生の関心を呼び起こそうとインターンシップ(就業体験)を始めた。初めての試みで、参加した学生は「民事を中心に扱う『まちの弁護士』の仕事を間近で見られる貴重な機会」と目を輝かせ、司法を通して地域の力になろうとの思いを強くした。

 3月20日まで5日間のインターンに参加したのは、一橋大大学院法学研究科2年の伊東信芳さん(23)。宮崎市出身で、中学3年生の2010年に地元で口蹄疫(こうていえき)が流行し、多くの畜産農家が苦しむ姿を見て弁護士を志した。11年に東日本大震災が発生した際は、遺留品捜索のボランティアとして友人と陸前高田市を訪れた。

 「あのまちはどう変わったのだろう」と気に掛けていたところ同事務所のインターン募集を知り、迷わず応募。約8年ぶりの同市は「風景も何もかもすっかり変わった。ただ中心部はまだ建物が少なくダンプカーが走っていて、思っていたより復興に時間がかかっている」と印象を語る。

 事務所を訪れる住民の法律相談に同席したほか、裁判所や岩手大生と大船渡高生による模擬裁判を見学した。普段は座学が中心で「弁護士の言葉遣いや住民への応対の一つ一つが勉強になる」と吸収した。

 企業法務を主に扱う都市部の事務所でもインターンに参加したが、相手の顔が見えない違和感があった。今回のインターンで「個人相手だと自分の働きが依頼者に還元されるのがじかに分かる」と再認識。「全国の弁護士過疎地域の司法アクセス改善に貢献したい」との思いを一層強める機会となった。