学生寮は特別な空間だ。多感な時期に、志を抱いて集った仲間と共に暮らす。何かあればいつでも部屋に集まり、胸襟を開いて語り合うことができる。希望や不安を打ち明け、喜びや悲しみを共にし、励まし、互いに成長していく

▼同級生のみならず先輩や後輩とも深い付き合いができることは、寮ならではの効用の一つだろう。卒業後も絆は強い。同じ釜の飯を食った間柄。かっこいい姿も、情けない姿も、良き思い出として共有していく

▼盛岡一高の男子寮「自彊(じきょう)寮」も素晴らしい数々の出会いを演出したことだろう。120年を超す伝統を持ち、これまで入寮した生徒は千人超。しかし、新年度から募集を停止し、来年春に閉寮の見通しだという

▼近年は入寮生が減り、建物も老朽化しているというから、やむを得まい。入寮減の背景には新幹線利用など環境の変化もあるようだ。時代の流れ。OBから惜しむ声が聞かれるが、刻まれた思い出は永遠に残る

▼寮ではなくても、身近に暮らした仲間は格別の存在だ。下宿やアパートなど、同じ屋根の下で顔を合わせた友との日々を懐かしむ人は多いのでは。現代はシェアハウスが新たなスタイルとして人気を呼んでいる

▼旅立ちの春。学校へ、職場へ、胸を膨らませて向かう新天地。暮らしの場を含め、たくさんのすてきな出会いが待っている。