国際リニアコライダー(ILC)の日本誘致について文部科学省の見解が示された7日、建設候補地の奥州市や一関市など県内各地でさまざまな反応が広がった。政府として初めてILC計画への関心と誘致の意義、波及効果を認めたことを歓迎する一方、議論が長期化することへの懸念から一刻も早い決断を求める声も相次いだ。

 奥州市役所では同日夕、国際将来加速器委員会(ICFA)の記者会見が中継され、集まった市民ら約60人が「日本の誘致表明に至らなかったのは残念だが、積極的な姿勢も感じた。引き続き決断を待ちたい」などとするジェフリー・テイラー議長の説明を見守った。

 「玉虫色」とも受け取れる政府の見解に、市観光物産協会副会長の高橋十一(じゅういち)さん(64)=同市水沢東大通り=は「会見をどのように受け止めていいのか解釈が難しい」と語った。

 2013年8月に本県が世界最有力の候補地となってから約5年半。盛岡市繋の団体職員高橋日香里さん(31)は「誘致を一刻も早く決めてほしかった」と話し、一関市大東町大原の会社員唐沢那奈さん(26)も「子どもたちの夢や希望につながる未来への投資だ」と訴えた。

 一関一高3年生の時から約2年間で、誘致実現を求める署名5664人分を集めた岩手医大医学部2年の浅利寛喜さん(20)は「政府が意見交換を継続するのはありがたい。いい方向に前進してほしい」と期待を高めた。

 文科省は立地地域への波及効果の可能性にも言及。加速器開発に携わる奥州市江刺愛宕のサンアイ精機の菊地晋也社長(46)は「世界の研究者の意見も聞いて、ILCの国際的な必要性を認識してほしい。希望を捨てず、県内一体で一層の誘致を進めるべきだ」と強調した。