国際リニアコライダー(ILC)の誘致に関する文部科学省の見解を受けて、達増知事と県ILC推進協議会長の谷村邦久・県商工会議所連合会長、東北ILC準備室長の鈴木厚人県立大学長の3人が7日、盛岡市内で記者会見した。知事は「政府がILCに関心を示したのは初めてで、意思表示を歓迎したい」と見解を高く評価。地元で運動を展開する3者はともに誘致に向けた「前進」と捉え、今後の国際協議に期待感を示した。

 達増知事は「国際研究者組織も文科省見解を肯定的に受け止めている。地元として政府間、研究者間の協議が円滑に進むように、できる限りのサポートをしたい」と強調した。

 谷村会長は「ILCの立地地域への効果の可能性が明記されたことは、誘致実現の確かな一歩だ。受け入れ態勢の整備に全力を尽くしたい」と運動を加速させる考えを示した。

 素粒子物理学の専門家でもある鈴木学長は「政府が公式に『ILC計画』という言葉を使ったのは初めてで、関心も示した。これは非常に大きな意味を持っている」と指摘。「国際的な意見交換を継続する」との文言にも「非常に前向きな決断をした」と評価した。

 一方で「現時点で誘致の表明には至らない」との見解に失望の声も上がっているとの指摘に対し、知事は「関係国との協議についてもグレードアップして本格的に行うとのこと。政府がついにILCについて正式に組織的に取り組む出発の日だと言っていい」と強気な姿勢を崩さなかった。

 今後、国内では日本学術会議がまとめるマスタープランに、ILC計画が盛り込まれるかが焦点となる。鈴木学長は「ILCは素粒子関係ではいつもトップにある。マスタープランは各分野の計画が尊重されるもので、他分野の人がそれを議論するものではない」と主張。同プランでも重要計画として位置付けられるとの認識を示した。