居間でくつろぐ足元を、小さな虫が横切った。今日6日は二十四節気の一つ「啓蟄」。冬ごもりしていた虫がはい出てくる頃とされる。県内は暖かい日が続いている。桜の開花も早かろう

▼気象情報会社ウェザーニュースの予想によると、盛岡地方気象台の標本木がある岩手公園の開花は、昨年より3日早い4月14日。平年比で1週間も早いが、西日本では例年並みか、むしろ遅れそうな所も目立つ

▼これには「休眠打破」というメカニズムが関係する。桜の花芽は夏から秋に形成され、いったん休眠。真冬の寒さにさらされて目を覚まし、気温上昇とともに成長して開花を迎える。開花には寒さが必要なのだ

▼冬が冬らしくないと、春になってもなかなか咲かないことがある。伊豆諸島の八丈島では2007年、暖冬で開花が極端に遅れ、しかも満開にならなかった。温暖化が進めば、同様の事態が広がる可能性がある

▼かつて北国の桜は、大型連休に重なって満開を競ったものだ。近年は、その前に盛りを過ぎることも多い。温暖化の影響は顕著だが、逆に開花が遅れ気味になってきたら、いよいよ危機と思わなければなるまい

▼人も同様、ぬくぬくとした環境にならされては目覚めるものも目覚めまい。試練をくぐった先に成長がある。今日は県内公立高の一般入試。「サクラサク」春は近い。