花巻空港と台湾、中国・上海を結ぶ国際定期便が就航した。県内へのインバウンド(訪日外国人客)のさらなる増加が見込まれる中、受け入れる心構えが不十分だったと痛感させられる出来事があった。

 2月のある夜、支局に台湾人男性が現れた。表情は穏やかではなく、手にはその日の新聞。何か聞きたくて訪れたらしいが記者は中国語を話せない。おろおろしていると、男性はスマートフォンを取り出し翻訳機能で会話することに。

 話しかけると瞬時に音声と文字で訳す優れもの。しかし、初めて向き合う機能の要領が分からず、意味不明な言葉に翻訳されることも。意思疎通できず、会話が進展しない状況に両者がヒートアップ。「俺の言い分を聞いてくれ」と言わんばかりにスマートフォンを取り合う形にもなった。

 話し言葉を短くすると高い精度で訳され、会話が通じるようになり場も和やかに。男性は後輩記者の取材を受けており、記事の掲載日を知りたかったとのこと。2時間余に及ぶやりとりでクレームも頂いたが、笑顔で帰っていただいた。

 語学力を磨き外国人と対等に会話をしてみたいのが本音だが、翻訳技術に頼らざるを得ないのが実情。まずは機能を使いこなせるようになり、訪日客を熱烈歓迎したい。

(新沼雅和)