一関市と陸前高田市を結ぶ国道343号の交通の難所に、両市など近隣自治体の行政や民間組織が「(仮称)新笹ノ田トンネル」の早期整備を国や県に求めているが、事業化に向けた動きは進展していない。県は多額の事業費が想定されることなどを理由に慎重姿勢だ。一関市は今後、同トンネルの整備実現に向けて要請活動などの取り組みを強めていく方針だ。

 同国道は急勾配で、急カーブが続き、冬期間は路面凍結で通行の危険性が増す。一方、東日本大震災の際には沿岸部からの避難路、内陸部からの救援物資の輸送路として利用され、復興にも重要な役割を果たしている。

 

 道路交通センサスによると、一関市大東町大原の同国道の1日の交通量は10年の3799台から15年は3616台に減少。だが、大型車は486台から629台に増えた。市は、物流面の重要性が増していることや冬の事故件数などを調べて危険性の根拠を示すなどして要望していく方針だ。

 県は多額の事業費が想定されるため▽安定的な予算確保▽事業効果の確認の必要性―などを課題に挙げる。県道路建設課の紺野憲彦計画調査担当課長は「沿岸で復興道路が開通し、県内の交通網が変化している。その変化も踏まえて検討していく必要がある」としている。