日本循環器学会の「STOP MI(心筋梗塞)キャンペーン」のモデル地区に本県が指定され、県と県医師会(小原紀彰会長)は県民への予防啓発活動を推進している。急性心筋梗塞は発症前に患者の約半数に前兆症状(狭心症)が出ることが知られており、この段階で医療機関を受診することが死亡率低下につながる。岩手医大教授の伊藤智範医師(循環器内科)にキャンペーンの狙いや前兆の特徴について聞いた。

 同キャンペーンは、前兆症状について広く周知し心筋梗塞患者を減らすのが狙い。岩手医大循環器医療センターが患者を対象に前兆に関する調査を行っていることから、2017年7月に本県がモデル地区に選ばれた。期間は約5年。県医師会の「医師会だより」や、盛岡市医師会の会報で特集するなど広報・啓発に取り組んでいる。

 同センターの調査では09~14年に登録された急性心筋梗塞患者1005人の49・7%で、発症前1カ月以内に前兆があった。前兆段階で適切に治療すれば心筋梗塞にならない可能性が高く、伊藤さんは「キャンペーンの目標が完全に達成できれば患者は半減する」と見据える。

 前兆の狭心症の特徴は▽胸の重い痛み、圧迫感、締め付けられる感じ▽胸焼け▽腕や肩、歯、あごの痛み-など。数分~10分程度で収まり、繰り返すことが多い。