国際リニアコライダー(ILC)の誘致に向け、県ILC推進協議会(会長・谷村邦久県商工会議所連合会長)と県は27日、盛岡市内のホテルで講演会を開いた。文部科学省がILCへの関心を表明したことを受け、計画を推進する研究者は国際協議を加速させる必要性を強調。人気漫画「会長 島耕作」の作者弘兼憲史氏は「ぜひ岩手で実現したい」と語った。

 市民ら約400人が参加。早稲田大の駒宮幸男教授は、7日の文科省見解に関し「学術的意義と立地地域への効果に言及し一歩踏み込んだ」と評価。次期欧州素粒子物理戦略の検討状況を踏まえ「今後、半年程度で進展を示す行動が必要だ」と日本政府に積極的な姿勢を求めた。

 高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の岡田安弘理事は、国際的な意見交換を継続するとした文科省見解を踏まえ「海外の研究者を通じて各国政府に協力を求めていく」と強調。安全面など懸念を抱える候補地で講演会を開き、住民の不安解消に努めるとした。

 弘兼氏は「ILCが実現すれば岩手に世界をリードする国際研究都市が誕生するが、東北以外では知られていない。漫画を通して意義を国民に伝えたい」と作品でILCを取り上げた経緯を説明。「ILCは震災で疲弊した岩手に新しい活力を生む。誘致に向け機運を盛り上げたい」と語った。

 遠野市六日町の昆芳男さん(68)は「全国にILCの意義をもっと周知すべきで、人気漫画で取り上げられたことは大きな追い風だ。東北に建設され、地方に人が流れる均衡ある社会ができてほしい」と願った。