国際リニアコライダー(ILC)計画を巡り、世界の主要な加速器研究所の所長らで組織する国際将来加速器委員会(ICFA)は22日、声明を発表した。文部科学省が7日、ILC計画について関心と国際的な意見交換の継続を表明したことを、「ILC実現への重要な節目」と評価。ILCの科学的意義を強調し、計画実現へ日本の主導的な役割に期待を示した。

 7日に東京都内で開催した国際会議で出た意見を取りまとめた。会議で文科省幹部が初めて見解を示したことに感謝し、「継続的な関心の表明を、ILC実現への道に沿った重要なマイルストーン(道程標)と見なす」と受け止めた。

 ILCで期待されるヒッグス粒子の精密研究を、ICFAとして「国際協力で進める最優先事項」と位置付け、ILCを「科学的意義と十分な技術水準がある」とも強調した。

 一方で文科省は見解で「現時点で日本誘致の表明には至らない」としており、声明では「もしホスト(受け入れ)に向け日本の明確な声明があったら、現在進む欧州素粒子物理戦略の更新の議論に大きな影響を与えた」と物足りなさも指摘する。

 その上で、議論が継続されることを「(ヒッグス粒子を量産して特性を解明する)ヒッグス・ファクトリーの選択肢に大きな進展があり、満足している」と歓迎し、ICFAとしても検討を続ける姿勢を表した。

 ICFAのジェフリー・テイラー議長(オーストラリア)は7日の会議後、「日本政府の支持があることを確認できた」と評価した上で、誘致に向けた経費分担の議論などを求めた。

 ILCの国内誘致の可否は、今後策定される日本学術会議のマスタープランや欧州素粒子物理戦略の議論を踏まえ、判断される。