書店員の「目利き」による独自の販売スタイルで知られた盛岡市盛岡駅前通のさわや書店フェザン店から今月、名物の手作りポップやパネルがなくなった。手掛けてきた元店長の田口幹人さん(45)ら3人が今月までに退職したため。書店員の個性と熱意を前面に押し出し、全国から注目を集めた店作りから、縮小する出版業界に対応するための新たな手法を探る。

 びっしりと手書きされた熱いメッセージが店頭をにぎわせてきた同店。ポップやパネルは1日に取り外された。「店頭やツイッターでの発信を含め、店作りはトータルでなきゃいけない」と田口さん。後任に店を託す上で「今の作り込みはいったんリセット」する選択をした。

 同店では、10日に田口さんと前店長の松本大介さん(41)が退職。手書きのカバーで本を覆った「文庫X」仕掛け人の長江貴士さんも先月、店を去った。

 近年、大型書店の進出が相次いだ盛岡市。さわや書店は豊富な読書量に裏打ちされた目利きを武器に、独自の「旬」を見極めた売り場で勝負してきた。