東日本大震災の東京電力福島第1原発事故の影響で衰退した県内有数の原木シイタケ産地、大槌町金沢地区を再興しようと、地元の若手農業者の苦闘が続いている。同地区の農業兼沢悟(さとし)さん(31)は出荷規制や「ほだ木」の全処分に耐え、栽培を再開。だが、事故の影響は大きく、町内で施設栽培をする農家は少なくなった。収益は回復してきたが、今度は、ほだ木の高騰が課題に。インターネットを通じて寄付を募るなど生産力回復と販路拡大に知恵を絞る。

 自宅そばのビニールハウス内に原木約2万5千本が並ぶ。個人事業団体「フラワードレス」代表として従業員と生産する兼沢さんは、13年の出荷規制解除以降、県外にも販路を拡大。販売法も工夫し、収益は震災前の約3分の2まで回復した。それでも「細い木が多く、収量が見込めない。もっと太い木が必要」と顔をしかめる。

 数少ない地域の生産農家として再興を期す兼沢さんは、原木更新のためクラウドファンディングを実施。寄付を募るだけでなく、関心を喚起し、安全性PRも狙う。「食材にこだわりのある飲食店や消費者の需要に応えられていない。何とか安定生産できる体制を整え、事業を将来につなげたい」と力を込める。

 寄付の募集期間は4月19日までで、目標は200万円。ウェブサイト「キャンプファイヤー」で支援できる。

 問い合わせは兼沢さん(080・6352・3104)へ。