県内の高校は1日、卒業式のピークを迎えた。東日本大震災から間もなく8年。当時、沿岸部の小学4年生だった若者たちも仲間との絆や全国からの支援を糧に立派に成長した。古里への思いを胸に、新たな道へと進む。

支援への感謝、歌に 大船渡東

担任の故佐藤公美さんの遺影を携える只野しずくさん(中央)。震災支援と恩師への感謝を胸に一歩を踏みだす=1日、大船渡市立根町・大船渡東高

 大船渡市立根町の大船渡東高(川村俊彦校長、生徒364人)は、115人の3年生が卒業式に臨んだ。同市赤崎町の只野しずくさんは、震災支援への感謝を歌で表現しようと思いを新たにする。

 只野さんは自宅が津波で流失。昨年6月まで仮設住宅暮らしを経験した。校舎が被災したため小学校は他校を間借り、中学校は仮設校舎で学んだが「不便なことも楽しんでしまえば大丈夫」とたくましく成長した。

 昨年から気仙地方の若者によるシンガー・ユニット「2代目カメリアス」の一員として、震災支援への感謝を込めて歌を届けている。県内外の催事に出演し、西日本豪雨被災地などへの募金も呼び掛けた。

 卒業式には、1月に50歳で急逝した担任の佐藤公美さんの遺影と一緒に臨んだ。

幼なじみ、野球の絆 住田

卒業式を終え、笑顔で思い出を振り返る(左から)大谷一真さん、黄川田葉さん、及川珠希夜さん=1日、住田町世田米・住田高

 住田町世田米の住田高(鈴木広樹校長、生徒87人)は、3年生32人が巣立った。陸前高田市気仙町出身の大谷一真さん、及川珠希夜(じゅきや)さん、黄川田葉(よう)さんの3人は保育所からの幼なじみで野球部に所属。卒業式後、後輩から県大会の写真パネルや色紙を受け取り、「卒業したぞー」とマネジャー含め部員12人最後の声掛けで笑顔を見せた。

 震災で同市は甚大な被害を受け、3人も自宅が被災。友と会える学校生活が心の支えだった。現在はそれぞれ別地域で暮らし、大谷さんは仮設住宅での生活が続いている。

 卒業後、大谷さんは救急救命士を目指して一関市の専門学校、黄川田さんは仙台市のペット専門学校に進学。及川さんは大船渡市の飲食店に就職し、料理人として修業する。