東日本大震災の津波で沈没したとみられる小型漁船が、大船渡市三陸町・越喜来(おきらい)湾の海底にひっそりと横たわっている。県は近く引き揚げを予定しており、1日は事前に地元の漁業者とダイバーが目印のロープを付ける作業を行った。

 泊(とまり)漁港から1キロほど南の水深19メートル。水温5度の薄暗い海に潜ると、白い船体が浮かび上がった。船べりには多数のウニ。周りの砂地にはホヤやナマコが見られ、カレイも身を潜める。がれきだらけだった海底は随分きれいになったが、この船と近くの乗用車が津波の脅威をとどめている。

 県は7日にも引き揚げ、所有者を捜す方向。11日で震災8年となり、潜水した同市のダイビングショップ・リアスの佐藤寛志代表(44)は「ここだけ時が止まっているように思えるが、生物がすみ着いた様子は震災からの年月も感じさせる」と海を見やった。