春の引っ越しシーズンが本格化し、県内でも申し込みが殺到して希望通りに転居できない「引っ越し難民」が出かねない事態が起きている。3月中旬から4月初頭のピークは既に業者の対応能力を超え、やむなく断るケースも。ドライバーらの労務管理の厳格化が影響し、大手のサービス休止も追い打ちを掛ける。連携して作業員やトラックを都合するなど業者は懸命に対応。転居者は新任地で4月を迎えられるかとやきもきしている。

 背景には業界を取り巻く環境の変化がある。慢性的な人手不足に加え、業界を挙げて長時間勤務の解消に取り組んでおり、青天井では受注できない。さらにヤマトホールディングス子会社は代金の過大請求を踏まえ、引っ越し事業を休止中。他社にしわ寄せが来ている格好だ。コストと見合わず、値上げに踏み切る業者もいるようだ。

 東芝メモリの立地など産業集積が進む県南部では、例年以上の混雑ぶり。北上市で赤帽まるたか軽運送を営む高橋一明さん(44)は18日、県外からの引っ越しのため花巻市に出張した。「連日、仕事が入っている。自分も同業者も昨年より申し込みが多いと感じている。夕方からの作業にも応じ、何とかやっている」とフル回転だ。