大槌町の住民らでつくる大槌宮沢賢治研究会(佐々木格(いたる)会長)は、23日に開業する三陸鉄道大槌駅に宮沢賢治の詩「旅程幻想(りょていげんそう)」の碑を建立した。東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた同町の新たな玄関口で、賢治の「利他の精神」を伝え、住民らの心のよりどころとする。

 除幕式が16日、現地で行われ、同会のメンバーや地域住民ら約100人が出席。同会の宮村通典さん(73)が詩を朗読し、地元団体が音楽や郷土芸能を披露して完成を祝った。

 碑は高さ2メートル、幅2・5メートル。震災で犠牲になった同町栄町の大久保泰彦さんの自宅庭にあった岩を家族が寄贈し製作した。

 「旅程幻想」は賢治が1925(大正14)年に三陸を旅した際に同町で詠んだとされる。同会は2016年には同町の三陸花ホテルはまぎくに賢治の詩「暁穹(ぎょうきゅう)への嫉妬」の碑を建立。今回の建立で、沿岸他市村にある碑を含め、同年に詠まれた六つの詩碑が全てそろった。