録画していた「あまちゃん総集編」後編を鑑賞した。あの演技を確かめるためだ。無口ながら存在感のある、すし屋の大将・梅頭。主役の天野アキ(能年玲奈=のん)が大女優の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)と会う場面に登場する

▼問いかけられても困ったような笑顔としぐさで返す演技が、ドラマの絶妙な味付けとなっていたことを改めて思い出す。しかし、お茶の間を魅了した大将役のピエール瀧は今、法を犯し容疑者となってしまった

▼NHKは今月下旬に放送予定だった「総集編」後編を別の番組に差し替える。ファンは残念だろう。事件の影響は大きい。大河ドラマ「いだてん」に関しては、きょうの再放送での出演シーンカットが決まった

▼人気俳優。テレビ、映画で大活躍だっただけに、出演作がどうなるかも気になる。先ごろは新井浩文容疑者の逮捕も波紋を広げ、過去のドラマが多数配信停止となり、年内に公開予定の主演映画は中止となった

▼俳優の犯罪で作品が次々お蔵入りになるのは当然か、行き過ぎか。一つ考えたいのは、作品には大勢の人が関わっていることだ。精魂込めた結晶を披露できない悔しさを思う。「作品に罪はない」との声もある

▼瀧容疑者の歩む道が厳しくなるのはやむを得ない。しかし作品の「連帯責任」はしのびない。そう考えるのは甘いだろうか。