コンビニや外食チェーンでアルバイト従業員が悪ふざけする動画が拡散し、問題になっている。「バイトテロ」と呼ばれ、繰り返し報道されても後を絶たない。法的責任を追及するなど厳罰化を求める動きがある一方で、深刻な人手不足を巡っては多くの企業や業界が頭を悩ませている。

 見覚えがある店内や制服姿で、不適切な動画をインターネット上に投稿し、批判が殺到する。若者らにとって投稿へのハードルは低い。元は遊び半分の行為かもしれないが、SNS(会員制交流サイト)やメディアを通じて情報はどんどん拡散していく。

 すしチェーン店で、食材の魚をごみ箱に捨てた後、まな板に載せようとする姿。コンビニでは、おでんの具材を口に入れ、その後出してみせたり、踊りながら商品のたばこを触って見せる。別の店では商品を袋に入れる際にペットボトルの飲み口などをなめる様子も撮られた。

 定食チェーン店では、アルバイト従業員が下半身を配膳用のトレーで隠してふざける動画を撮影。関わったアルバイトを解雇し、法的措置も検討している。12日には全国の287店を休業し、研修や清掃を行った。

 消費者の信頼を欺き、とりわけ不衛生な印象を与える行為は、食品を扱う企業にとってダメージが大きい。意図しようとしまいとブランド価値を著しく損なう、まさにテロ行為だ。従業員の適切な管理は企業側として当然、責任を問われる。

 職場でのスマホ規制を徹底するだけでなく、軽はずみな行動がもたらす影響を認識させる教育が重要だ。一方で深夜など時間帯によってはアルバイトだけで運営せざるを得ない店側の事情もあり、そうした環境での働き方が問題視されている。中には、それすらままならない状況もある。

 大手コンビニのフランチャイズ加盟店オーナーは、アルバイトが集まらないため営業時間短縮に踏み切ったところ本部側と対立する事態になった。かつては「あいてて良かった」コンビニも、今や24時間営業が当然とされる。同様に苦境を訴える店が相次ぐ。

 過重な労働環境を改善しようと、コンビニやスーパー、外食、宅配などさまざまな業界が、時短営業などサービス縮小を模索している。

 都会と地方、さらに地域の中でもニーズは一律ではない。少子高齢化が進むこれからの時代、本当に必要なサービスの人手を質量ともに確保するにはどうしたらよいのだろうか。

 不心得な行為を非難するのは簡単だ。しかし、その背景にある働き方や、過剰ともいえる便利さを見直す時期に来ている。