駅から真っすぐに、海へと延びるレンガの道。震災8年の日、行方不明の同級生のお墓参りをした後に、宮城県女川町へ。いつもにぎわう駅前の道も、風雨が強く、人通りはまばらだった

▼津波で全壊し新設されたJR石巻線の女川駅舎は、復興のまちの中心。羽ばたくウミネコをイメージした白い大きな屋根が特徴だ。レンガの道沿いには商業施設。色鮮やかなスペインタイルの工房、段ボール製の「ダンボルギーニ」を展示している店も

▼駅舎には温泉「ゆぽっぽ」が併設されている。久々に入ると、数人の先客がのんびりとお湯に漬かっていた。それぞれに疲れを癒やしつつ、心の中であの日に思いをはせていたことだろう。静かで温かな一体感

▼三陸鉄道リアス線の全線開通が近づいてきた。オランダ風車をイメージした陸中山田駅が完成するなど、沿線は準備着々。しかし、人口減に歯止めが掛からず、車社会も進展する中、先行きは決して明るくない

▼かつて、一部復旧したJR常磐線で福島県浜通りの友人を訪ねた際、「若い人は週末になれば、常磐道で仙台にドライブに行っちゃうんだよね」と、複雑な思いを口にしていた。三鉄は、三陸は大丈夫だろうか

▼観光はむろん、住民の利用向上策が鍵を握る。駅、まち、海をどう結び、三陸全体の活性化につなげるか。知恵を絞りたい。