東日本大震災から8年を迎えた11日、静かな祈りに包まれる県内被災地を雨がぬらした。各地で新しいまちが形になりつつある一方、大切な人を失った心の傷は今なお癒えない。復興途上ながら、増す風化の懸念。将来への期待と不安を交錯させつつ、それぞれが次の一歩を踏み出した。

 宮古市田老では昼ごろ雨脚が強まった。震災遺構、たろう観光ホテル前では市内外から約40人が午後2時46分、横一列で手をつなぎ、海に向け黙とうをささげた。

 田老地区で自宅が全壊し、近くに住む祖母タケさん=当時(86)=も亡くした宮古市黒田町の警備員山本英貴さん(42)は「助けられず、ごめん」と声を絞り出した。複数の友人を亡くした同市宮町の及川幸子さん(72)は「時間が経過しても心の復興は追いついていない」と胸中を明かした。