三陸鉄道の公共交通としての使命感や心意気は、人々の胸を打った。三鉄社員の思いに応えるように、オリジナル商品や切符販売による支援の動きが、全国の鉄道会社や鉄道ファンにも広がった。第三セクター鉄道等協議会に加盟する同業者や大手私鉄が三鉄グッズを代行販売したり、売り上げの一部を義援金に充てる企画商品を販売した。

【復興応援切符】いすみ鉄道が三陸鉄道などを支援するため販売した入場券3枚セットの切符

 いすみ鉄道(本社千葉県大多喜町)は復興応援切符と銘打ち、復興への繁栄を願った「盛駅」(三鉄南リアス線)、困難に打ち勝つ「勝田駅」(茨城・ひたちなか海浜鉄道)、大きく多くの喜びをもたらす「大多喜駅」(いすみ鉄道)の入場券を3枚セット販売した。

【絵本】北リアス線復旧の道のりが描かれている「はしれ さんてつ、きぼうをのせて」

 絵本やコミックなど、三鉄を紹介する書籍も出版された。

【ファン開拓】駅名を名字にしたキャラ「田野畑ユウ」(右)と「恋し浜レン」=2012年4月1日、田野畑駅

 三鉄利用者を増やすための営業努力も怠らなかった。オリジナルキャラクター「鉄道ダンシ」で女性ファンの開拓を目指すユニークな取り組みも注目を集めた。

【急ピッチ】急ピッチで進む南リアス線の復旧工事=2013年2月15日、大船渡市盛町

 震災からの沿岸復興をけん引するように、三鉄のレール復旧は、国や県、沿線自治体の支援を受けながら加速する。

【おかえり】2年ぶりに運行した三陸鉄道南リアス線の1番列車=2013年4月3日、盛駅
【垂れ幕】祝いの垂れ幕を掲げ列車を迎える綾里大権現=2013年4月3日、綾里駅

 13年にはNHKのドラマ「あまちゃん」がスタート。久慈を訪れる観光客が急増した。ロケで使われた「お座敷列車」が完売するなど、全国の三鉄ファンが続々と乗車した。

【お座敷列車】ほぼ満席の車内には、ドラマのように海女姿の乗務員が登場=2013年6月1日

【ヘッドマーク】南リアス線全線開通に向け新レトロ車両にヘッドマーク装着=2014年4月4日、大船渡市

 

【駅長登場】「あまちゃん」に出演した久慈駅名誉駅長の杉本哲太さん(右)は、荒川良々さんと祝福に駆け付け、住民と万歳三唱した=2014年4月6日、久慈駅

 14年4月6日、全線が復旧した。「三鉄おめでとう」。駅舎やレールが流出した島越駅周辺では、住民が小旗や大漁旗で一番列車を歓迎。乗客も笑顔で手を振り返し、喜びを分かち合った。

【復旧】島越駅に到着する三陸鉄道北リアス線の下り一番列車=2014年4月6日、田野畑村

 三鉄にとって「第二の開業」となった14年。4~6月期の経常損益は、震災後初の黒字となった。

〝復興の灯〟三陸鉄道が一つにつながるまで④