満開のハマギク、高台に立つ新しい住宅、秋田県からのボランティア-。大槌町の「赤浜地区の復興を考える会」の会員制交流サイト(SNS)は、震災からの再生に歩む地域の今を紹介している

▼担当するのは、地元で水産加工業を営む小豆嶋(しょうずしま)映子さん。住民の約1割が犠牲となった地域で「赤浜の事を気に掛けている人たちに状況を知らせたい」と、不定期でSNSの更新を続けている

▼今日、震災から8年を迎えた。沿岸などの被災地は大切な人々の魂を弔い、平穏な日常への祈りに包まれる。マスコミによる、年に1度の「節目(記念日)報道」もピークとなる

▼社会に衝撃を与えた事件や事故、災害などの発生日に合わせた報道は、出来事の風化を防ぐ意味がある。犠牲になった人の無念を忘れず、問題を検証し、教訓をつなぐ。月日を経て、初めて明らかになる事実も多い

▼他方、節目報道は受け取る側に限らず、伝える方も慣れと隣り合わせ。時は重なるが、万が一にもルーティンワークにしてはならない。遺族らの悲しみを刺激することへの想像も忘れてはならない

▼考える会のSNSは、今も時に100件を超える「いいね!」がつく。節目の日に、改めて被災地にある報道機関の役割を思う。同時に、悲劇を忘れさせない一番の力が、住民自らの息の長い発信にあると確信する。