禁煙・嫌煙が世の流れとはいえ、「ここまでやるか」と驚き首をかしげてしまった。公益社団法人「受動喫煙撲滅機構」がNHK大河ドラマ「いだてん」で受動喫煙シーンがみられるとして申し入れ書を送った

▼車の中でスパスパといった場面があり、「そうしたシーンがなくても、時代を表すことはできる」として、今後受動喫煙の場面は絶対に出さないこと、放送されたことについて番組テロップなどでの謝罪-を求めた

▼案の定、「当時の喫煙は普通の風景」「過剰反応」といった批判の声が上がった。NHKは「(主人公の)キャラクターを表現する上で欠かせない」「演出上必要な範囲」とし、機構側も納得したようだ

▼数年前にも同じようなことがあった。大ヒットしたアニメ映画の中で主人公が肺結核の妻の前でたばこを吸うシーンがあり、禁煙推進団体が批判。物議を醸した。昔は病院にも堂々と灰皿が置いてあった

▼現在の価値観で歴史の事実を糾弾したところで意味はあるまい。昔は「そんな時代だった」と受け入れるしかない。自身の正当性を主張すればするほど、反発を買うこともあるのだ

▼誰でもネットで情報発信できる時代。過度なクレームが多発すると、制作側が萎縮して無難な番組ばかりになってしまうのではと懸念する。もう少し、おおらかでいられないものか。