文化審議会(佐藤信会長)は8日、花巻市東和町の倉沢人形歌舞伎を「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択するよう宮田亮平文化庁長官に答申した。歌舞伎を人形で演じるという全国的に極めて珍しい特徴が評価された。本県の同無形民俗文化財は20件目となる。

 倉沢人形歌舞伎保存会(菅野芳治代表、会員14人)によると、人形歌舞伎は1894(明治27)年、同町倉沢出身の菅野常次郎(1878~1966年)がつくり上げた。伝承する保存会が毎年11月23日に同町倉沢の倉沢人形歌舞伎伝承館で開く定期公演など、年5回程度上演する。95年に県無形民俗文化財に指定された。

 演目は舞台清めの「三番叟(さんばそう)」で始まり、最後は「景色(けいしょく)」という短い踊りで打ち出しとなる。この間に「傾城阿波(けいせいあわ)の鳴門巡礼歌(じゅんれいうた)の段」や「本朝廿四孝十種香(ほんちょうにじゅうしこうじゅしゅこう)の場」などが演じられる。三味線を奏でながら語る義太夫節と、人形遣いのせりふの掛け合いが魅力だ。