北上市で昨年4月、父親の育児放棄(ネグレクト)で当時1歳9カ月の男児が死亡した事件を検証していた県社会福祉審議会の児童福祉専門分科会措置部会は8日、市の事態の緊急性への認識が不十分で、関係機関の連携も不足していたとする報告書をまとめた。虐待死の事件は全国的に後を絶たない。本県の悲劇を繰り返さぬよう、報告書は関係機関の連携強化や、地域で子育てを見守る仕組み作りなど、小さな命を守るための行動を求めた。

 盛岡市で同日開いた同審議会(委員長・長山洋県社会福祉協議会長)で公表した。子どもの安全確認や保護者支援・介入など6項目で問題点を検証し、再発防止への提言を盛り込んだ。

 事態の緊急性が高くないとした市の判断は「父親と会えず家庭状況が把握できないこと自体がリスク」と指摘。乳幼児は急な環境変化により短期間で死亡する可能性があり、あらゆる手段で子どもの安全や養育環境の早期確認を求めた。

 男児の安全確認については、男児が通っていた保育施設と市の認識の違いから、確認が十分になされず「ネグレクト状態の把握に至らなかった」と判断。顔の見える関係づくりや、異変に気付いた際の情報提供の方法について具体的な検討が必要とした。