天国の心愛(みあ)さん。虐待から解放され、ホッとしているだろうか。なぜ自分は死ななければならなかったのか、悲しみを深めているかもしれない。関係機関の失態が次々明らかになっている

▼やっかいな父親から早く逃げたかったのだろう。暴力を受けたと訴えたアンケートを見せるよう威圧的に迫られ、写しを渡してしまう。暴力は「うそです」と記された書面を示され、自宅に戻すと決めてしまう

▼すぐさま介入すべきタイミングを見過ごし、言いなりになった。専門職育成の在り方が問われる。怒りや攻撃性への対処法を学ぶプログラムが、精神医療や司法などの現場で取り組まれ始めたが、普及は途上だ

▼落胆、無力感、悲しみ、憤り…東日本大震災被災地で相談支援に携わる専門職は、日々、さまざまな感情を向けられている。とりわけ、やり場のない怒りをぶつけてくる人への対応に、神経をすり減らしながら

▼過酷な体験で自暴自棄になり、攻撃的な言動で孤立していた人が立ち直っていく。「いろいろあったけど、保健師が自分を見捨てず支えてくれた」。こんな話を聞くにつけ、継続的な関わりの大切さを実感する

▼逃げの姿勢がどれほど重大な結末をもたらすか、千葉の事件は明らかにした。悲劇を繰り返さないため、怒りに向き合わなければならない。粘り強く、時に、毅然(きぜん)と。