国際リニアコライダー(ILC)の誘致に向けて、国際研究者組織が日本政府に求める意思表明の期限「3月7日」まで1カ月となった。県ILC推進協議会は6日、盛岡市内のホテルで講演会を開催。誘致の意義を改めて確認し機運を高めると同時に、政府に対し前向きな判断を強く訴えた。日本学術会議が課題として指摘した費用分担について、国際協議に入るための「前進回答」を引き出せるのか。誘致運動は最大の正念場を迎えている。

 講演会には県内の自治体、企業団体の関係者ら約250人が出席。同推進協会長の谷村邦久県商工会議所連合会長は「ILCは大きな意義を持つ夢のある壮大な国家プロジェクトだ。残り1カ月となった今、岩手から東北、オールジャパンへと活動を加速させ、政府が意向を表明するよう求めたい」とあいさつした。

 岩手大・県立大客員教授で高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市、KEK)名誉教授の吉岡正和氏は、誘致による地域への波及効果や、加速器関連の産業創出の可能性を指摘。

 最新の世界情勢を解説した東北ILC準備室長の鈴木厚人県立大学長は「日本政府の判断さえあれば、費用分担などの政府間協議を始めようという段階に来ている。ILCはアジアで初の国際機関。過去の大型プロジェクトは政府主導で始まっており、大いに期待している」と述べた。

 政府判断に関しては、計画への「重大な関心」を表明することが必要とし、最終的な誘致可否の決定は費用分担などの交渉後で構わないとの認識も示した。