奥州市の胆沢川沿いで工事が始まった大規模太陽光発電所(メガソーラー)を巡り、事業者から説明を受けていない地元住民に困惑が広がっている。事業者は市などに必要な届け出を終えて開発を始めたが、住民にとっては「突然始まった」事業。建設後の水害や農業、住環境に与える影響を懸念する声も漏れるが、事業者側からの詳しい説明はないままだ。太陽光進出を巡る地域とのトラブルは全国的に相次いでおり、有識者は積極的な情報公開の必要性を指摘する。

 事業主体はドイツに本社を置く「セーフレイ」が出資する「Iwate Mizusawa Solar合資会社」(東京都、小岩永幸職務執行者)。同社は岩手日報社の取材に対し▽同市水沢佐倉河のパークゴルフ場跡地など3エリア・計約20ヘクタールに設置▽パネル6万5千枚を設置し出力20メガワット▽8月中旬から東北電力への売電開始を目指す▽事業期間は20年間を想定-などの計画を説明した。

 だが、住民は詳細を知らされていない。地元の上幅(うわはば)行政区は建設自体を知ったのが工事開始後。きっかけは高橋安司区長(73)が「地域では堤防と認識されていた」という盛り土が取り壊されたからだ。盛り土は県の堤防に続くように民有地に整備されていた。