少年法の適用年齢を、現行の20歳未満から18歳未満に引き下げる改正案が、法相の諮問機関である法制審議会の少年法・刑事法部会で議論されている。法制審に諮問されたのは2017年2月。本年度内の答申が見込まれている。

 論点は18歳、19歳への新たな処遇制度とされ、引き下げの是非そのものは議論が乏しいと伝えられる。背景には、16年施行の改正公選法で選挙権年齢が20歳以上から18歳以上となったことがある。

 改正公選法は付則で、民法と少年法についても必要な法制上の措置を講じると明記している。昨年6月には成人年齢を引き下げる改正民法が成立。22年4月以降、18歳から成人となる。この流れで、少年法の適用年齢も引き下げの方向で議論が進む。

 国側が重視しているのは、法制度の一貫性だ。こうした方向性に対し、日弁連と刑事法研究者、全司法労働組合の3団体は昨年末、相次いで適用年齢引き下げに反対する声明を出した。少年法の理念である教育的処遇が手薄になることへの危惧が根底にある。

 凶悪な少年犯罪がクローズアップされる中で01年、刑罰対象が16歳以上から14歳以上に引き下げられるなど、厳罰化の方向を社会が受け入れてきたのは事実。18歳、19歳には通常の刑事処分により死刑を含む厳罰の言い渡しも可能なのは、「成人」の基準を統一する理由付けの一つと言えるのかもしれない。

 一方で警察庁の17年統計によると、刑法犯少年の検挙者数は14年連続で減少。2万6千人余と、戦後最少を更新した。ピークだった1980年代初頭との比較では6分の1という現状で、現行法の見直しは、その評価と相まってより丁寧な議論が求められる。

 法制度の一貫性では、20歳以上に据え置かれた飲酒や喫煙、公営ギャンブルなどを代表例に、それぞれの年齢要件には合理的な理由がある。少年法についても、法律の理念を大事に考えるべきだろう。

 現行法では、罪を犯した少年は全て家庭裁判所に送致され、成育歴や家庭環境などを詳細に調査。少年院送致や保護観察などの処分を決める。更生を重んじる考え方から、大人であれば起訴されないような軽微な事案でも、家裁の判断で指導・監督できる仕組みがある。

 法制審部会では、家裁が中心となって対応するシステムを維持することも検討されているというが、それでは改正の必要性に疑問符が付く。

 現行法が禁じる少年の実名や顔写真報道を18歳、19歳についても認めるのかどうか。立ち直りという観点から、民法上の成人を横流しに少年法に当てはめることには、くれぐれも慎重でありたい。