天然の斜面を滑るバックカントリー(BC)でのスキーやスノーボードが本県でも普及し始めている。八幡平市では、市や市民団体が旧八幡平スキー場の利活用や観光客誘致につなげようと、地元の山に精通したプロのガイドらによる案内や、冬山の状況を把握するための定点観測などに取り組んでいる。他県ではBC目的で入山した人が遭難するなどの事例が問題化しており、関係者は冬山の活用と安全確保をいかに両立させるか、知恵を絞っている。

 同市の冬山に精通したプロガイドら約10人でつくる市民団体「八幡平キャットツアーズ」(沢田啓代表)は今冬、旧八幡平スキー場エリアでBCへの雪上車運行を本格的に始めた。スキーヤーやスノーボーダーを滑走地点まで運び、安全に滑ってもらうためのアドバイスなども行う。

 同市柏台のスキーガイド高橋孝精(こうせい)さん(35)が企画した1月のツアーには県内外の8人が参加。雪上車で標高1400メートル付近まで登り、「ここに雪庇(せっぴ)がある。気を付けて」などと高橋さんに教わった後、次々と真っさらな雪面に滑り出した。

 市は16年度から、同スキー場エリアの安全管理のため、積雪深や雪質などの定点観測業務を同団体に委託。団体のホームページやフェイスブックで公開している。同団体は今後、一般向けに雪山の状況を把握するための観測データの見方を教える講習会も開く考えだ。