ドアを開けると、さっぱりとした香りがふわり。棚にはキャンドルや瓶などがきれいに並べられ、わくわくとした気持ちになる。盛岡市の「Luonto(ルオント)」では、天然のアロマオイルをブレンドしてキャンドルを作る「Tuoksu apteekki(トゥオクス アポテーキ)-香りの薬局-」を行っており、自分だけの香りを楽しむことができる。

 約60種類のアロマオイルから数種類を手際良く選んでいくのは、同店を営む佐々木香織さん(43)。来店客と対面した最初の印象や、香りの好み、悩みごとなどを聞くうちに、自然とオイルが「手を挙げてくれる」といい、迷う様子はあまり見られない。

 「仕事の疲れがなかなか取れなくて。リラックスしたい」という相談には、「静けさ」をテーマにした組み合わせを提案。心を落ち着かせる効果のあるウッド系の「ファニードル」や、温かさや元気を与えてくれるかんきつ系の「リッツアクベバ」などの小瓶のふたを手のひらに並べ、一緒に嗅ぐことで相性を確かめる。来店客の反応を見ながらブレンドを調整し、森の中にいるような穏やかな香りができあがると、大豆ワックスとともに缶に注いで冷やし固めていた。

オリジナルの香りが楽しめる「Tuoksu apteekki-香りの薬局-」(右)と「kukka」

 アロマオイルとの出合いは10年ほど前。友人を通じて横浜市を拠点に活動するアロマ講師と知り合ったことがきっかけだった。1本のオイルを嗅がせてもらったときに「ドアがバンと開いたような衝撃があった」。それから1年ほど勉強を重ね、2008年にアロマコーディネーターの資格を取得。同時期に知り合いから頼まれてアロマキャンドルを制作するようになった。12年にアトリエを開き、16年4月から「Luonto」としてスタートした。

 「Luonto」は「自然の恵み」を意味するフィンランド語。フィンランドではキャンドルの消費量が多いことや、人々が自然に寄り添った暮らしをしていること、物を大切にしていることに共感し、商品名にもフィンランド語を使用している。

 佐々木さんは長年、その日の気分に合わせたアロマのレシピを日記のように書きためてきた。その蓄積を提供したいと始めたのが「Tuoksu apteekki-香りの薬局-」だ。自身の経験が生かされるため、今では「お客様の悩みに香りで寄り添えるから、過去のつらいこともあって良かったと思える」という。そうして完成した「あなたのためだけの香り」に来店客が笑顔になってくれることが一番の喜びだ。

 「Tuoksu apteekki-香りの薬局-」のほか、「草花」という意味のキャンドル「kukka(クッカ)」も人気。自分用だけでなく、贈り物を探しに訪れる人も多いという。「キャンドルは日常の中にあるもの。気軽に使ってもらえたら」と願う。

memo 「Luonto」は盛岡市南仙北1丁目19の22。営業時間は午前11時から午後7時まで(土曜は同5時まで)。定休日は日曜と月曜(臨時休業あり)。電話は090・7934・5704。「Tuoksu apteekki-香りの薬局-」は、缶タイプのキャンドル(120ミリリットル)にブレンドオイル(5ミリリットル)付きで3240円(税込み)。「温める」「浄化」などのテーマでブレンドした商品も販売している。「kukka」は2000~5000円。予約や問い合わせは同店ホームページへ。