国際リニアコライダー(ILC)の誘致に取り組む東北ILC推進協議会(高橋宏明代表)は19日、仙台市内で東北ILCセミナーを開いた。講演などで誘致の最新動向や技術革新の可能性に理解を深めた。

 会員ら約170人が参加。大型円形加速器を持つスイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究所(CERN=セルン)の山本明客員教授がインターネットを介し、実現に向けた欧州の動きや思いを伝えた。

 山本客員教授は計画に関わる欧州側の熱意やセルン設立が周囲の自治体に与えた好影響を紹介。日本政府の前向きな判断とリーダーシップを期待している研究者たちの状況を伝えた。第2次世界大戦後の欧州を科学で一つにというセルン設立の理念に触れ、「科学で平和をつくる国際研究所が日本にできる大切さを分かち合いたい」とメッセージを送った。

 東北ILC準備室長の鈴木厚人県立大学長と岩手大・県立大客員教授で高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市・KEK)の吉岡正和名誉教授も講演。

 鈴木学長は「アメリカ、フランス、ドイツはすぐに政府間協議を始められる準備ができている」と強調。吉岡名誉教授は加速器関連技術から生まれる産業の可能性を説明した。