東日本大震災で流失した大槌町本町の大槌駅の新駅舎が完成し1日、現地で落成式が行われた。同町小鎚の理容店経営、菊池晃総(あきふさ)さん(39)は同駅を含むJR山田線が3月23日にJR東日本から三陸鉄道に移管されるのに合わせて駅構内に飲食店を開き、町特産のさけだしを使ったラーメンの販売を始める。1日は真新しい駅内の調理場を訪れ、震災から立ち上がり、町ににぎわいを生み出すことを誓った。

 同駅は、作家の故井上ひさしさんの人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルの一つとされる同町の「蓬莱(ほうらい)島」がモチーフ。菊池さんは「開放的できれいな建物だ」と駅舎に見入った。調理器具などを搬入する真新しい調理場に立ち「年齢や性別を超え、みんなが入りやすい開かれた雰囲気にしたい」と思いを語った。

落成式が行われた大槌駅。「ひょっこりひょうたん島」のモデルの一つとされる「蓬莱島」をモチーフに建設された=1日

 同町須賀町出身。釜石南高を卒業後、横浜市の理容専門学校で学んだ。神奈川県内の理容店に数年間勤務し、25歳の頃に「生まれ育った地で事業を継ぎたい」と地元にUターン。だが、両親とともに営んでいた須賀町の店は震災の津波で全壊し、半年後に同町大槌の仮設店舗を建ててからは1人で営業してきた。

 もともとラーメンが好きで、2015年に食べ歩きが好きな地元の友人ら10人ほどでラーメン研究会を結成。昨春、町観光交流協会から同駅への出店の打診を受けた際、町内でレストランを経営するメンバーから「地元の特産を使ったラーメンを出せばいい」と背中を押され一念発起した。