近年、全国タイトル獲得や奨励会入りなど本県棋界の話題が続く。全国的なブームは高校生棋士・藤井聡太七段の活躍が大きいと思うが、記者は前の部署で将棋を担当しており、本県選手たちの情熱や相手への思いやり、謙虚さなどにいつも驚かされていた。

 1月に奥州市で久しぶりに将棋大会を取材した。恒例の第31回日報高橋杯新春将棋大会は、過去最多の68人が出場。階級別のB級(初段以下)は小学生が多かった。ベテランの大人に敗れ、悔しさを表情に出す姿も見られたが、対局後に感想を聞くと、質問の意味をよく考えて答える小学生たちの落ちつきが印象に残った。

 大会を主管する日本将棋連盟奥州支部の金野征治支部長は「将棋の文化をより多くの子どもに伝えたい」と所作も大切にする。奥州市では、胆沢一小3年の梅内悠登(ひさと)君が昨年、東北レベルの大会で初優勝。ブームの影響だけでなく、地道な普及活動が取り組みの裾野を広げている。

 ゲーム感覚も間口を広げる一因だろう。会場でタブレット端末を片手に戦法を研究する子どもを多く見掛けた。初心者の記者も棋力向上を狙って将棋アプリを使ってみたが、なかなか思うようにいかない。こちらも近道はなく、地道な努力が大切ということか。

(佐藤 俊男)