県は12日、国際リニアコライダー(ILC)の東北誘致に向け、自然に優しい建設や運営方法を探る「グリーンILCセミナー」を盛岡市内で開いた。県内外の企業関係者ら約90人が参加し、再生可能エネルギーの活用や県産木材の利用策を考えた。

 高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)名誉教授の吉岡正和氏は研究所へのエネルギー供給について「ILCで使う年間電力量は、東北管内の電力販売量の0・9%以下。自然エネルギーの発電分でも対応することができる」と説明。排熱の農業分野への活用などを提言した。

 その上で、関連施設を木造にして県産木材を用い、地元企業が建築や管理を担うべきだとし「地元を中心にした産学官が連携し、研究者が地域に溶け込むコミュニティーの形成を目指したい」と語った。

 ILC誘致を推進する先端加速器科学技術推進協議会(東京)で地域づくり分野を担当するNTTファシリティーズソリューションビジネス部の平井貞義部長は、まちづくり構想を説明。欧米の学術都市や巨大IT企業の社屋が自然との共生を重視する傾向を踏まえ「岩手は豊かな自然など環境の良さが十分生かせる。世界中の最先端技術、ノウハウを生かし、次世代に向け進化するまちづくりが展開できる」と語った。

 県や県内企業はILC誘致に向けた取り組みや活用が期待される技術について発表した。