二戸支局の近くに国史跡九戸城跡がある。市民憩いの場として親しまれており、全国各地からの来訪者も増えている。先日、九戸城跡に関する講演会などを取材し魅力を再確認した。

 講演会の講師は城郭研究の第一人者である奈良大文学部の千田(せんだ)嘉博教授。「九戸城から考える日本城郭史」と題し、全国の中世、近世城郭と比較しながら九戸城の特長を紹介した。

 絵図や出入り口の構造などから、本丸の大手とされているのは九戸城期のもので、改修後の福岡城期には南門とされているのが大手だったと提起。その変遷が、中世から近世への社会の変化と連動していた可能性を指摘した。

 目を輝かせながら語る千田教授は時に笑わせ、時にうならせながら満席の聴衆を引き込んだ。会場には熱気があふれ、歴史や城に対する関心の高さも感じられた。

 もう一つ取材した二戸市埋蔵文化財センターの企画展「九戸城跡~史跡調査30年の歩み」では、平成の時代に行ってきた調査で見つかった遺物や写真などから、九戸城跡の価値を発信している。

 今は雪に覆われている九戸城跡。春には桜が咲き、お花見もできる。往時の様子を思い描き、季節を感じながらの散歩がますます楽しくなりそうだ。

(阿部友衣子)