街を歩けば、至る所で目にする防犯カメラ。監視カメラと何が違うと問われれば、言葉に詰まってしまう。ともに映像が犯人摘発の証拠になったりするから、言葉の違いだけで機能的には同じものだろう

▼警備会社に勤める知人から防犯(監視)カメラの歴史や各国の状況などいろいろ教わった。東京・歌舞伎町や渋谷、池袋など街頭防犯カメラシステムを導入したところでは、ここ10年で刑法犯認知件数が激減したという

▼昨年、渋谷センター街でのハロウィーン騒ぎの中、軽トラックを横転させた若者が逮捕された。一つ一つの防犯カメラをリレー形式で調べ、犯人を追跡。最終的に解析した防犯カメラは250台にもなった

▼住民の意識調査によると、6割超が「もっと設置したほうがいい」と思っており、7割の人が防犯カメラがあることで「安心」と感じている。犯罪抑止や冤罪(えんざい)防止につながると考える人が多い

▼監視カメラ大国なのが中国。世界市場の約6割を占める。北京では警察が顔認証メガネのテストを始め、全国民を3秒以内で認識する国家規模のデータベース稼働を目指しているという。まるで映画のような世界だ

▼隠れて悪さをしても、「お天道さまが見ている」と諭されたのは昔の話。今は「防犯カメラが見ている」。えたいの知れない薄気味悪さを感じる時代になった。