大槌町の旧役場庁舎は31日、完全に解体された。東日本大震災の惨禍を物語る遺構の一つが姿を消した。

 同町新町の現地で午後2時すぎ、解体業者の重機が最後に残った玄関の天井部や壁を崩した。19日の解体着工から10日余り。一帯はコンクリート片や鉄筋だけが残った。

 町職員だった兄が行方不明の会社員倉堀康さん(35)=同町上町=は、解体を望んだ一人だ。それでも「毎日見てきたものがなくなるのは寂しい。町民それぞれに庁舎への思いがある。(保存を)訴える遺族がいる中での解体は早かったのかもしれない」と、遠巻きに見守った。