東日本大震災で被災し、内陸に移った住民が古里を巡るバスツアーが6日、釜石市と大槌町で行われた。両市町を中心に沿岸から盛岡市や花巻市などに移住した38人が、震災後に整備された施設などを訪れ、友人との再会を喜んだ。間もなく震災から8年9カ月となるが、それぞれ古里に寄せる思いは変わらない。参加者は復興が進む町並みを胸に刻みながら、内陸での暮らしの励みにした。

 内陸への移住者の支援活動に取り組む盛岡市のNPO法人いなほ(菅原進代表理事)が「ただいまバスツアー」と題して企画。昨年6月に開館した大槌町末広町のおしゃっちでは大槌童謡を歌う会のメンバー約20人と「たきび」や「とんぼのめがね」を合唱。同町栄町の自宅が震災で全壊し、花巻市不動町の長女の元に移り住んだ佐々木役子さん(76)は同会の友人と震災後初めて再会。抱き合って一緒に歌った佐々木さんは「震災後は住所が分からなくなってしまった人もおり、(友人の)顔を見た瞬間にほっとした」と感激していた。