「一生に一度の経験。子どもたちの未来を守るために何ができるのか、考えるきっかけをいただいた」。ローマ教皇フランシスコと東日本大震災被災者との集いに参加した宮古市宮町の小百合幼稚園長・加藤敏子さん(60)=同市崎鍬ケ崎=は、出会いを感慨深げに振り返る。

 加藤さんは11月25日、東京都内で、東京電力福島第1原発事故で福島県いわき市から東京に避難している高校2年の鴨下全生(まつき)さん(17)らと共に教皇と対面。自宅が全壊し、教え子を亡くした自身の震災体験を語り「子どもたちに命の尊さ、命を守るすべを伝えていく。一歩踏み出し、生かされた自分たちに何ができるか考えたい」と訴えた。

 震災後、復興に向けて日本や世界の心が一つになった瞬間を感じた加藤さんだが、時間の経過で他者への思いやりが薄れつつある現状を危惧していた。「教皇の言葉は命の大切さを訴え、弱い立場の人を気遣う優しさに満ちていた。多くの人々が平和、未来について真剣に考える機会になった」と感謝。「自分たちも周囲を取り巻く環境と向き合い、命や子どもたちの未来を守るため、できることに取り組み続けたい」と決意を新たにした。