庶民の味が、すっかり「高級魚」となった。今季の本県サンマ水揚げ量(11月末現在)は前年同期の31・9%にとどまり、平成以降で最低水準に終わる見通しだ。数がそろわないため店頭価格が下がらず、消費者が他の魚種を手に取る食卓の異変も起きている。漁業者にとっても、極度の不漁が続く秋サケ漁とのダブルパンチ。漁期はほぼ終了で、来季の資源回復を祈るしかない状況だ。

 盛岡市内丸の阿部魚店では、10月ごろサンマ1匹400円前後まで値上がりした。その後、やや入荷が増えたが店頭の値札は350円。阿部栄一取締役相談役(69)は「単価は近年高止まり。今年は大きいサンマが手に入らず、脂が乗ったイワシを選ぶお客さんが多い」と実感を語る。

 漁業情報サービスセンター(東京)によると、12月の三陸海域のサンマ漁は来遊量が少なく終漁となる見通し。県全体の水揚げ量は平成以降最低だった2017年(1万3914トン)を下回るのは確実だ。