入社して8カ月。記者として県内を駆け巡りさまざまな経験をしたが、印象に残っているのはどれも冷や汗を流した場面だ。

 何を取材するにも初体験。他社の記者がスラスラとペンを走らせる中、私だけが首をかしげる。「何について言っているのだろう」。冷や汗が頬を伝う。己の無知を痛感しながら質問を繰り返し、取材を終えたころには、びっしょり、ぐったり。

 原稿を打ちながらも頭を抱えた。内容がまとまらず、締め切りまで間に合うのだろうかと冷や汗がたらり。パソコンをにらんだ。

 ハンカチを手放せない日々を送っていると、取材した方からメールが届いた。そこには「汗を流しながら熱心に話を聞いてくれてありがとう」とつづられていた。目頭が熱くなると同時に気付いたことがあった。

 冷や汗を流したとき、必ず誰かが手を差し伸べてくれた。丁寧に説明を繰り返してくれた方、追加取材を快諾してくれた方-。多くの優しさに触れた場面でもあるからこそ、印象に残っているのだろうか。

 支えてくれた皆さんへの感謝を胸に知見を広げ、冷や汗も凍りそうな冬を越えたい。

(斉藤元)