一年の計は元旦にあり。今年は普段とは違う元日取材に巡り合えた。

 1月1日午前0時。花巻市愛宕町の花巻神社の境内で、同市大迫町から元朝裸参りをしていた佐々木孝さん(71)を待った。

 雪がちらつき、寒さも厳しさを増す。自然と体が震えたが、記者も佐々木さんの気持ちに寄り添いたいと考え、ジャンパーを着ずにスーツ姿で寒さに耐えた。

 到着予定時間になっても佐々木さんは現れなかった。70歳を超えた男性が白足袋にわらじ、白いさらしを腹に巻いた姿で歩いて来られるのか疑ったが、迎えに行こうにも擦れ違いになればクライマックスに立ち会えない。心の中で「佐々木さん無事に来てください」と祈るしかなかった。

 「ザッ、ザッ」。雪を踏む足音が境内に響いたのは午前2時ごろ。佐々木さんは力を振り絞って階段を上り、40回目を達成。裸で32キロを走り終え、達成感あふれる表情を見せた。

 最後まで諦めずに、目標をやり通した佐々木さんに触発され、記者も苦手だった山登りに後日挑戦し登頂に成功。「小さな一歩でも前に進むことが大切」と気持ちは軽やかだったが、踏み出す足はとても重かった。

(斎藤 拓真)