2020年度から11校ある小中学校が4校にまで統合する山田町。4月から、児童生徒にとって最後のかけがえのない時間を取材させてもらった。

 大沢小では32年間続いた全校表現劇「海よ光れ」が最終幕となった。「最後だから見た人の心に残る劇にしたい」と熱を入れる児童たちは、海と共に生きる大沢住民を演じ切った。昔を思い出して涙ぐむ人、最後を惜しむ人。地域を愛する心が会場にあふれ、終演後は大きな拍手で包まれた。

 ほかにも、運動会や田植え体験、新巻きザケ作りなど学校ごとの行事は数え切れない。統合に向けた住民説明会では、こうした行事や芸能の存続を危ぶむ声もあったが、少子化や公共施設の維持費用などを長期的に考え、統合は進んだ。

 私の出身校、盛岡市の川目小も16年に閉校した。今年1月、旧川目小の冬の風物詩「氷柱」が有志により復活したというニュースを目にし、一人の地域住民、一人の卒業生としてとてもうれしく、誇らしかった。

 統合まで3カ月半。地域住民や子どもたちの郷土愛を受け止め、その地域に学校があった証しを少しでも多く伝えていきたい。

(新屋 大介)