4月。奥州市の国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の6人が関わったブラックホール撮影プロジェクトの成功が発表され、多くの市民が科学の魅力に引きつけられた。

 ブラックホールは地球から5500万光年離れ、質量は太陽の65億倍-。何とも壮大でイメージしにくいが、その存在が画像で示されたインパクトは大きい。同市ではブラックホールを模した菓子や鉄器の開発などが進められ「天文のまち」が活気づいた。

 最先端の研究者たちの話を取材し、記者自身学んだことや刺激になることも少なくなかった。物事をより深く理解しようとする探究心や、国際間競争ではなく協力によってプロジェクト成功に導こうとする姿…。

 特に印象に残ったのは、離れたアンテナを組み合わせられる電波望遠鏡の特性を生かし、観測していること。組み合わせや波長の違いによって見える「景色」を変え、さまざまな角度から宇宙の謎に迫っている。

 普段の取材にもつなげられないかと思う。視点を変えればこれまでとは違う地域の歩みや魅力が見えてくるはずだ。かすかな光を逃さず、情報の発信を続けていきたい。

(佐藤俊男)