今年の世相を1文字で表す漢字に「令」が選ばれたが、皆さんはどんな字を選ぶだろうか。私は「移」としたい。

 矢巾町に9月、岩手医大付属病院が盛岡市内丸から移転し開院した。移転当日は多くの人が沿道に詰め掛け〝大移動〟の様子を見守った。町中心部の様相はガラリと変化。JR矢幅駅から病院へと続く県道は多くの人が行き交い、多様な店舗が出店。夜は病院の窓から漏れる光が町を照らす。

 同院の教授を取材した際、「岩手の医療を変えるために世界のトップを目指してきた。(県民性もあり)情報に左右されにくい岩手だからできることがある」と語った熱い瞳が忘れられない。日々変化する医療環境の中で、志を変えず愚直に研究する姿勢に圧倒された。

 隣接する紫波町では、歴史や文化の顕彰活動が盛んだ。多くは高齢者が中心だが、古く良いものを残す雰囲気は若者を呼び込み、転入や日詰商店街への新規出店も続いている。

 年号が令和になっても変わらないものはある。支局が本社と統合し拠点は移ったが、動き続ける両町にこれからも密着していきたい。

(山本直樹)