本県の北上山地(北上高地)が候補地とされる国際リニアコライダー(ILC)を巡り、東京大素粒子物理国際研究センターの山下了特任教授は12日、盛岡市内の会合で、誘致活動の近況を説明した。国内の推進団体や研究機関、自治体などで連絡会を新設したと報告。成否に関わる国内外の重要計画が固まる来年に向け「オールジャパン」の連携を強めていくとした。

 県国際リニアコライダー(ILC)推進協議会(会長・谷村邦久県商工会議所連合会長)の役員会で、約30人が参加。山下氏によると、連絡会は同協議会と東北ILC推進協議会、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、先端加速器科学技術推進協議会(AAA)、岩手、宮城両県の関係者ら約20人で構成する。

 東京都内で2週間に1回のペースで会合を持ち、ILCを巡る国内外の現状について情報交換。各団体で個別に行っていた要望や誘致活動を連動させ、発信力を強める。

 来年は1月に日本学術会議のマスタープラン公表、5月に次期欧州素粒子物理戦略(2020~24年)の策定が見込まれる。日本政府が国内誘致の可否を検討する中、それらにILCがどう位置づけられるかが焦点となる。連絡会の座長を務める山下氏は「来年1月末に誘致活動の第2フェーズ(局面)を迎える。状況の変化に対応できるようオールジャパン体制を組みたい」と強調した。

 県ILC推進協の事業報告では、研究者や国内推進団体などと連携して、誘致機運を高める動画を年内を目標に制作し、DVDやホームページで広めることを説明した。